松屋浅草

松屋浅草	2018年12月06日

東京浅草の浅草寺にほど近い隅田川のほとりに「松屋浅草」という百貨店が在ります。1931年の開業で、現在は規模を縮小しながら営業を続けていますが、1970年代と80年代に3度に渡ってトミカを特注していました。

第1回は1978(昭和53)年10月で、ロンドンバスばかりが4種類も登場しました。

金メッキボディ/赤シャーシーで「keep britain tidy」ラベル、
「浅草松屋ロンドンバス運行記念浅草・上野1978」ラベルで金メッキボディ/赤シャーシー、銀メタボディ/赤シャーシー、赤ボディ/赤シャーシーの3点。
箱は通常箱でしたが、資料には金メッキモデルのみ箱にラベルが貼られていたと記されています。当時の定価は不明。

これは、1978(昭和53)年10月15日より1ヶ月間の期間限定で、浅草～上野間でロンドンバスが運行された事に因んでの特注でした。
高度経済成長期に入り、新宿などの新しい街が発展するのと裏腹に、下町の浅草界隈は「ゴーストタウン浅草」などと揶揄されるほどひなびた状況になっていました。こんな状況を打破するために「浅草おかみさん会」が色々な取り組みを始めたのですが、そのうちの一つが、このロンドンバスを走らせるという事業だったそうです。

第2回は1981(昭和56)年4月で、ネオプランバススカイライナーが2種類登場しました。

どちらも赤ボディで、アイボリーシート/ベージュシャーシーに「NEOPLAN あさくさーうえの」ラベル、白シート/黒シャーシーに「MATSUYA うえのーあさくさ」ラベルと言う仕様となっていました。箱は通常箱でした。当時の定価は不明。

1981(昭和56)年4月に、かつての浅草の賑わいを取り戻す目玉事業として、台東区が2階建てバスの運行を計画、委託を受けた東京都交通局が上野広小路～浅草雷門間にスカイライナーを運行しました。
これが日本初の2階建て路線バスとなり、大変な人気を博しましました。
この運行を記念して登場したのがこのトミカ2種でした。

第3回は1982(昭和57)年3月で、ネオプランバススカイライナーが再度登場しました。2階建てバス運行1周年を記念しての特注でした。

赤ボディに白シート/黒シャーシー、「ASKUSAーUENO」金ラベルと言う仕様となっていました。
箱は特製箱で、プラスチックケースに紙製のサックという豪華仕様でした。当時の定価は不明。

品番	品　名	ボディ	ラベル
F15-1-38	ロンドンバス	金メッキ	keep britain tidy
F15-1-39		金メッキ	浅草松屋ロンドンバス運行記念浅草・上野1978
F15-1-40		銀メタ
F15-1-41		赤
F37-2-5	ネオプランバススカイライナー		NEOPLAN あさくさーうえの
F37-2-7			MATSUYA うえのーあさくさ
F37-2-14			ASKUSAーUENO(金ラベル)

ネオプランバススカイライナーでは、「世界の2階建てバスフェア」でも、上野浅草仕様が出ましたが、こちらは少し仕様が異なっていました。詳細はこちら。

1981年に運行された2階建て路線バスは、2001(平成13)年まで20年に渡り運行され、浅草の活性化に貢献しました。
更に、2012年3月3日～6月17日までの期間限定で、再びロンドンバスが運行されました。これは東京スカイツリーの開業に合わせたもので、やはり浅草おかみさん会の主催だったそうです。おかみさんパワー炸裂ですね(笑)
浅草と言えば2階バスを思い起こすほど定着しましたが、トミカは1982年の特注が最後となってしまったようです。